人生100年時代といわれる今が、長い老後の時間をどう過ごしたらいいのだろう。
そのための本などもいろいろと出版されている。
この度「旧若葉台西中学校で」活動している「はじめての油絵教室」にお邪魔した。この教室の受講生はほとんどが60代以上の方。80代の方も元気に教室に通っている。
60代、70代で油絵をはじめた人がほとんどだ。そして1年、2年と続けていく中で、好きなテーマを見つけて取り組んでいる。この熱心さの源は・・・?
講師は受講生の才能発揮に情熱を傾ける志村肇さんだ。
受講生の皆さんは伸び伸びと才能を発揮。
毎年、絵画展で優れた成績をあげている。今年の第5回日美展絵画部門には、志村講師と受講生⒋人が入賞・入選、作品が8月11日~20日の期間、東京都美術館に、展示されました。
皆さんに感想もひとことずつ伺ってみました。
《第5回日美展絵画部門》
☆亀山ヤエ子さん 国際文化カレッジ賞
「京都東寺の持国天を描いた。勇ましい守護神。争いの連鎖を止めたい、という気持ちもありました」
☆萬代富美子さん 国際文化カレッジ賞
「幻想的なガクアジサイを描いた。以前はステンドグラスをやっていましたが、花を描きたくて油絵をはじめました」
☆村松美喜さん 秀作
「山が好き。コン秋の絵はアンナブルナのキャラバンについて行った時に見た村の光景。母親とゆりかごに入った赤ちゃんを描きました」
☆星利枝さん 佳作
「京都東福寺の紅葉。燃えるような紅葉の色を表現したかった。絵の楽しみは何も考えずに没頭できるところです」
伺った日はちょうど月一回の、木曜教室と火曜教室との交流の日。
クラシック音楽をかけてコーヒーを飲みながら思い思いに好きな絵を描くという。
そんなゆったりした雰囲気の中、講師の志村さんに、シニアが油絵を始めることの意味や、絵の楽しみ方について伺ってみました。
「教室では、皆さんに好きなものを描いてもらっています。嫌いなものを描いてもつまらない。風景にしろ、人物にしろ得意なものを描いた方がいい。受講生の皆さんは、人生を抱えてきている。才能がないと思っている人が大部分。けれど一枚は描ける絵があるはず。そこからすべてが始まります。隠れた才能を見つけてあげるのが私の仕事です」(志村講師)
志村講師自身も作品制作に熱心に取り組み、今年春には、能登半島の穴水の風景を描いた100号の大作「村の用水路」が、東京芸術劇場の展示ギャラリーに無審査で招待展示されていた。
こちらは志村講師が初めて描いた子猫の絵。つぶらな瞳が愛くるしい。
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