孤立死等を防ぐために ~ 神奈川県住宅供給公社の取り組み


 このところ、よく、人生100年時代という言葉を聞きますが、 そのたびに、100歳の人生とは、どんなものなのかとつい想像してしまいます。 そして、それが家族に囲まれた100歳なら幸せだろうな、と思います。 みんなが高齢になっても孤独でない、幸せな社会というのは実現するのでしょうか。 


高齢者の一人暮らしに対策を立てる、神奈川県住宅供給公社の取り組みを紹介します。


 1年半前、神奈川県住宅供給公社と東京ガス(株)による締結があり、日本大通りの県公社に取材に行ってきました。締結の内容は、孤立死を防ぐことを目的としたものです。 


 間もなく第一期入居から40年にならんとする若葉台団地ですが、バブル期前に建てられた団地はいずこも、高齢化の波が足下までひたひたと迫ってきている感じです。一人暮らしの人もこれからますますふえそうですね。

 いえ、団地のみならず、超高齢社会に向かいつつある日本全体の問題でもあるようです。 若葉台では、地域コミュニティが密で、スポーツ・文化活動が盛ん、さらに住民同士のつながりもあるので孤立死はなかなか起こらないのでは・・・といわれます。

  たとえば、活動日に姿が見えないと、 

「今日どうしたのかしら」

  ということで電話したり、お部屋に訪ねていったり。 と、このように密なコミュニティが、たがいの安否確認の役割も果たしているようです。

  心配なのは、これらのつながりから抜け落ちている人々です。 どこにも属さない孤高の生き方は、若いころなら、ひとつのライフスタイルとして、とやかくいえませんが、一定以上の年齢になれば人々の輪の中に意識して入っていく勇気も必要かもしれません。


  また、たとえば歩行が困難になり、仕方なく家に閉じこもる生活を余儀なくされることもあるかもしれません。 そして何日も人に会わない生活が普通になってしまったら・・・・・・。


  そんな人々の安否を知るための方法が、何かあるといいですね。 神奈川県住宅供給公社が経営する団地でも、さまざまな問題が起こる懸念が生じています。


 高齢化によって地域コミュニティからすべり落ち、一人のカラに閉じこもることで、地域とトラブルになり、最悪の場合、深刻な事故になるケースもあるとされます。 公社では、「入居者の命を守る」ことを最重要課題に、さまざまな取り組みをしています。

  数年前からは、団地の一人暮らしの高齢者を見守るために、自治体や企業などと連携し「見守りネットワーク」をつくっています。 

・30年10月現在、13自治体、4団体と締結、 ・入居者、管理会社、公社とで、「孤立死等防止検討会」をつくり情報共有 ・神奈川県新聞販売組合、東京ガス株式会社ほかと締結。 


孤立死を防ぐため 県公社と東ガスが締結

東京ガス(株)中山潔神奈川支社長㊧と神奈川県住宅供給公社 猪股篤雄理事長

 

  一人暮らしの高齢者の見守りとして「ライフサポート事業」などに取り組んできた神奈川県住宅供給公社が2月23日、東京ガス株式会社と協定を締びました。 

 内容は、県公社賃貸住宅でのガスメーター検診などの際、郵便物が溜まっているなどの異常を感じたら、公社に通報するなどの処置を取ってもらうもので、公社では今後さらに見守りの輪を広げていきたいと話しています。 

                     (わかば通信vol.46 2017.4)


  このような連携の中で、一人暮らしの高齢者の住まいでゴミ屋敷問題が発生した際には、自治体が入って解決し、入居者はきれいな部屋や家族との交流、笑顔を取り戻すことができたそうです。

  また新聞配達員からの通報により生存確認を行うこともできたとのこと。 安否確認の結果として、平成29年度は、 53件の安否確認、うち生存確認が32件、死亡確認が21 件でした。 

「生存確認されたうちの11件は室内で衰弱するなど急を要する状態でしたが救命につなげることができた」そうです。 

取り組みの実際、協定連絡先、安否確認の結果(データ)などについては、神奈川県住宅供給公社のプレスリリースをご覧ください。


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