「ミドラボオープンハウス2018」の取材で、厚木市の緑ヶ丘団地へ
「ミドラボオープンハウス2018」へ行ってきました。
ミドラボとは、厚木市の緑ヶ丘団地活性化のために今年活動を始めたプロジェクトで、東京工芸大学と神奈川県住宅供給公社の協力で行われています。
まず、建築科学生さんらの住まいへのアイデアを、空室内のパネル展示や模型で見せていただきました。
地元住民の方に、建築学科の学生さんが一人一人丁寧に説明しています。
話を聞いていて特に印象的だったのは、「明るい南側を入口にして、人が入ってこれるようにする。そして外廊下をつくり、日の当たるところで人々がコミュニケーションできる場に」という考えでした。また2DKの2室をつないで一つにし、広い空間にするなど、ゆったり住みたいという今の時代の要望に沿っていて納得のいくものでした。
長く住み続けるには 人々のコミュニティの場をつくる、家族がゆったりと暮らせる広さ、というのはとても大事なポイントかもしれません。
団地だから狭い、というのはもう昔の考えで、今はもう、団地だからこそできるコミュニティや住空間の居心地の良さを追求する時期なのかもしれませんね。
「長屋をイメージしています。土間のような空間をつくりたい」
との言葉に、深くうなずいていました。
南側の日当たりの良い、土間のような共有スペースがあったら、それこそ今の子育て世代にも魅力あふれる団地になるのではないでしょうか。
緑ヶ丘団地周辺は、本厚木にも近く交通も便利なのに、落ち着いていて自然が残り、住環境としてはかなり理想的な気がします。多分いまは団地というものを、都内のマンションや一戸建てとも違った、独特のぬくもりをもった空間として捉え直す時期なのかもしれません。
またそんな人とのつながりを大切にしたい、と願う人々が住んでいるのが団地だと考えれば、学生の皆さんがそういったことを意識して、住まいの提案をしていることは、とても素晴しいことに思え、これからがますます楽しみです。
屋外プレイロットでは、神奈川唯一の村、清川村で活動しているNPO法人「結いの樹よってけし」の地産品によるマルシェも行われていました。
東京工芸大学でこのプロジェクトを担当している森田芳朗先生にもお会いし、学生たちの取り組みについてお話を伺うことができました。
その後、団地の集会所内で講演会が開催されました。
講師は、千葉工業大学の田島則之先生。テーマは「習志野市袖ケ浦(そでがうら)団地での団地活性化の取り組み」
袖ケ浦団地でも、大学生が団地の人々と一緒になって、活性化に取り組んでいるとのことです。
この団地のある地域一帯は、地域で働く人、都心へ通勤する人、との療法が混在する準郊外型エリアと考えられるとのこと。昔の概念でいう郊外の先にできた郊外と考えられ、この地域の特徴としては、人口流出と共に高齢化率が上がっているとのことで、40~50年前にできた団地では、共通の悩みのようです。
ちなみに袖ケ浦団地は築49年。個数2990戸。
新しい人はなかなか入って来ず、以前からの人が年を重ねていくため若い人が少なくなっている状況だそうです。高齢化率は35%。
森田先生(奥、左)と、講師の田島先生(奥、右)
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