「団地くらし」セミナー 第1回~自然エネルギーから建物断熱へ~

  「団地くらし」セミナーの 第1回~自然エネルギーから建物断熱へ~ が、

6月12日、Kosha33ホール(神奈川県住宅供給公社ビル)で開かれました。


 はじめに、なぜ今回セミナーを開催することになったのかを、猪股篤雄理事長が解説。

 高度経済成長期に脚光を浴びた団地。

 「木造住宅からコンクリート、そして水洗トイレなど時代を先取りし、夢の団地」と言われていました。けれど今は、子世代が都内に去るなどし、深刻な少子高齢化に悩まされています。

 けれどそれはある意味日本全体の抱える問題とも言え、

「団地はこれから日本の都市部が直面する人口減少、そして少子高齢化の先を行っている」

 とも言えるそうです。


 そんな中、若葉台団地のように高齢化率が高いのに、要介護認定率が極端に低い例なども出ています。

 これは団地や地域のコミュニティ力により、「これらの諸問題に対応できる可能性」を示しているとのこと。これから団地のコミュニティがさらに注目されそうです。猪股理事長が述べた、「我々は、夢の団地を絶対に朽ち果てたりさせたりしない」という言葉が印象に残りました。

 また、そのような文脈内で公社の新たなコンセプトとして、

「生涯賃貸」や「生涯自立」などの提案もされました。


 続いて、今回のセミナーのテーマ、自然エネルギーや建物断熱について、

  公社のエネルギーへの取組みとして 、「中井メガソーラー」、「フロール横浜山手」県内里山産材及び新築外断熱の採用 、「Kosha33」小田原杉を活用したリノベーション、「二宮団地」断熱へのチャレンジなどが上げられます。


 二宮団地の、ワークショップ形式による断熱材を使ったリノベーションなど、これまで取り組んできた事例を、担当者が詳しく説明。


 この方面でのリノベーションに関して、神奈川県住宅供給公社は次々と先駆的試みを行っています。既存の建物をどう住みやすくするか、長寿化するか、新たな視点で取り組んでいる様子が説明されました。 

 さらに、1棟まるごとリノベーションした築60年以上の「横浜星川アンレーベ」の例も、工事に当たった馬淵建設株式会社、東邦レオ株式会社の担当者から詳しく説明されました。

 

 居ながら工法、外断熱工法の選定、排水管を外に出しそれを覆うことでデザイン性も新しくなったことなど、工事の苦労の中から新しいものを生み出していく技術力や、リノベーションへの取り組みが日々進化していることに驚かされます。

そして後半で、「団地とくらしリノベーション」をテーマにパネルでスカッションも行われました。

〈出席〉

神奈川県住宅供給公社 理事長 猪股篤雄氏

神奈川県住宅供給公社 団地共生プロデューサー 蔀健夫氏

馬淵建設株式会社 建設事業本部リニューアル工事部 内藤敏夫氏

東邦レオ株式会社 グリーンインフラ事業 統括マネージャー 外山雅之氏


 「横浜星川アンレーベ」の工事の際の苦労話や、実際の状況、断熱効果、メンテナンスの課題、二宮団地の取り組みなど、出席者の皆さんによる意義のある話い合いが行われ、さらに今後の改修や地域のコミュニティづくりへと話が展開していきました。

猪股理事長からは「団地家族」という言葉も出されるなど、いま「団地」は熱いテーマになっているようです。

次の「団地くらし」セミナー開催が待たれます。

                                       〈根本〉

 


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