〈寄稿〉健康コラム 横浜旭中央総合病院消化器内科部長 木村祐先生
年末年始は、何かと飲酒や食事などの機会や量が増えがちな時期です。
お酒を飲んだり食事をしたあと、胸焼けがしたり、苦い水(胃酸)がのどへ上がってくるようなことはありませんか?
そうした症状がしばしば見られたり、長く続くようですと、逆流性食道炎の可能性が考えられます。
逆流性食道炎とは、消化中の食物と胃液(胃酸)が何らかの原因で、食道へ逆流してしまうために起こる病気です。
以前は、高齢者の方に多い疾患とされていましたが、昨今は年齢を問わず患者さまが増えてきています。
こんな症状はありませんか?
「ない:0点」「まれに:1点」「時々:2点」「しばしば:3点」
「いつも:4点」で合計点を出してみてください。
1 胸やけがしますか?
2 おなかがはることがありますか?
3 食事をした後に胃が重苦しい(もたれる)ことがありますか?
4 思わず手のひらで胸をこすってしまうことがありますか?
5 食べたあと気持ちが悪くなることがありますか?
6 食後に胸やけがおこりますか?
7 喉(のど)の違和感(ヒリヒリなど)がありますか?
8 食事の途中で満腹になってしまいますか?
9 ものを飲み込むと、つかえることがありますか?
10 苦い水(胃酸)が上がってくることがありますか?
11 ゲップがよくでますか?
12 前かがみをすると胸やけがしますか?
1~12の質問の合計点数が8点以上であれば、他の疾患と比較して
逆流性食道炎の可能性が高いと判断します。
逆流性食道炎の症状は、食べてすぐ横にならないようにしたり、油っこいものを食べる量を減らすなど、食生活を見直すことで抑えることもできます。
なお、上記のような症状は、逆流性食道炎以外の病気でも現れることがある症状です。
症状が続いたり、気になるようでしたら、お近くの内科や消化器内科の診察を受けてください。当院では、必要に応じ内視鏡検査や消化器内科以外の診療科とも連携し、治療にあたっています。
横浜旭中央総合病院
消化器内科 部長
木村 祐
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