中田さん、憧れの能舞台でシテを演じる

若葉台四丁目の中田さつきさん(62)は昨秋、能舞台に立ち、

「杜若(かきつばた)」のシテを演じました。

中田さんは、能楽堂のある金沢出身。学生の頃は、能楽部に入って活動、

能舞台は身近にある憧れの存在でした。


横浜に住むようになって、子育てが一段落したときに母親が、

「あなたも何かなにかやったほうがいい」

と言ってくれ、横浜能楽堂に稽古に通うように。


1年半前、故郷の石川県立能楽堂で演じる話が来て、迷いつつ出演を決

めました。

演じたのは、「杜若〈かきつばた」のシテ。在原業平の歌「からころも」

からの演目です。

面をつけ舞台に立つと極度に緊張したものの、恩師の声を頼りに

橋がかりから本舞台にすすみ、70分間の舞台を、

「花の精になって演じきることができました」。

能に惹きつけられたのは、謡曲の小町物に登場する小町があの美貌の

女性ではなく、落剥した老女だったというもの。

この秋にもまた故郷の能舞台に出演予定。

                   

               わかば通信2017年8月号(48号)より

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