「青天を衝け」、草彅さん慶喜から目が離せません

NHKの大河をご覧になってますか。

今放送中なのは「青天を衝け」。幕末から明治にかけて日本の経済界に多大な貢献をした渋沢栄一が主人公です。
名前は知っていても、あまりなじんだことのない人物。
岩崎弥太郎とかそんな人のほうが、よく知っているのは、やはり大財閥を築いた人だから。

でも、いくつもの会社や銀行の創設にかかわったとのこと。
清廉潔白と言うか、淡泊な人なのか。自分の一族の利益よりも日本の繁栄を第一に考えた人なのでしょうか。

幕末の話は好きという人と、嫌いという人がいます。好きというのは、動乱の時代に生きた若い志士たちの活躍にロマンを感じたりするから?
確かに、悲喜こもごもの運命をたどる多くの若者がいました。
「人の運命の不思議さ」を思わずにいられません。


特に目が離せないのは、草彅剛さん演じる 一橋慶喜です。

これまでになかった慶喜像に強く惹きつけられています。


とらえどころがなくて、強情っぱり

これまでの解釈とちがうから?

いえ、そうではなく、内に秘めた思いについての解釈というか、寄り添い方が違うのでしょう。慶喜がきわ立って一人の人間として浮かび上がってきているのです。純粋だけど芯の強い(強情とも言える)、そんな複雑な性格の人。

普段は静かな水の表面のように穏やか(かつ、何を考えているのかわからない 笑)なのですが、イザ、となると凄みを帯びてくるくらい怖い。

そんなとき、家族が帰ってきてもしばし夕食はお預け。
仕方なくテレビの映像に付き合っているうちに
「つよぽんさん、いいね!」
「とらえどころがない慶喜だね!」
などと、傍らでつぶやいたりしています。

そう、そうなのです。これが不思議なところ。

とらえどころがないのに、何かしら重たいしこりのようなものが内面からふつふつと浮かび上がってくる。その気配がすごい(^^;)

まったく新しい慶喜像をつくりあげてるのです!

「快なり!」は爽快感いっぱい

ワタクシ、慶喜公の出身の地元民でして、高校生のころはかつて水戸城だったところのお堀の横を通って通学してました。なので、どうしても慶喜の味方をしたくなる。
愚公だとか、軟弱だとかよく言われます。涙
でも、渋沢栄一は、
「慶喜公は恩人で命を助けてもらった。今日あるのは、一橋家に使えたお陰だ」
と言い、慶喜公の伝記などを書いているのですね。
よほど、有り難い何かがあったのでしょう。

ここで気になるのは、当時の水戸藩でも何があったのかということです。

横浜沖の船上で、水戸と長州の志士が密談したのですが、

そこで決められたのは、
「水戸が破壊し」
「長州が成就する」
というもの。破壊を担当するって、なんの自虐かと思いませんか。
気が短くて、ことを早くやり遂げようと、せっかちに前に進み自爆。
あるいは、自分が損な立場になることも厭わず。
これが水戸っぽの気質?(^^;)
櫻田門外の変・・・・・・そして、藤田小四郎らによる幕末最大の悲劇のひとつ、天狗党の乱。これについて、後ほど草彅さん慶喜がどう対応するか。ここもワタクシにとって見所のひとつです。


父、斉昭は水戸っぽの気質だけど、慶喜の行動はちがったようです。

それが江戸、さらには日本全体を救うことになったようにも思えます。愚者とか弱虫とか言われても構わない。そう思える人が、ほんとうに強いのかもしれませんね。


それにしても前回の大河、ご覧になりましたか。中川宮の前で、

「あの三人は天下の大愚物」

と、思い切りたんかを切ったあとの、

「快なり!」

ほんとうに爽快でした。

草彅剛さんがこれから先、どんな慶喜像を見せてくれるのか本当に楽しみです。

《根本幸江が、日々感じたことを書いています》

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